本研究の目的は、学校の組織マネジメントを機能させる学校評価について、調査データを収集し、これをもとに現状を明らかにすることである。さらに、このデータを得るための質問紙の検討や結果としてのデータの分析をもとにして、学校の組織マネジメントを展開するうえで活用できる学校評価の立案に関してモデルを構築することをねらいとした。すなわち、現在展開されている組織マネジメント研修ほか、管理職研修や主任職研修など、マネジメントを題材とするような研修のなかでも、教材として提供できるようなモデルであり、資料とすることを目的とする。 内容としては、学校評価の実施の状況、さらには学校評議員制度や学校運営協議会等の設置状況についても合わせて調査すると共に、本研究では、特に学校評価の評価方法と評価領域の選択、そしてこれらと学校の規模や学校評価の役割分担など、学校組織の有する条件との関係性を明らかにすることで学校の組織マネジメントに資することをねらいとした。最終年度である平成19年度は、前年度に行った全国調査及び自治体規模の小学校についての質問紙調査の結果について、分析作業を進めると共に、補足的に制度や実践について事例の聞き取りを行った。また分析の結果や考察について、学会等において発表を行った。 研究実績としては、以下のことが挙げられる。特に学校評価における評価方法と評価領域の組み合わせを得点化し、これと学校評価の運用方法や校長の学校評価の活用に関する認識を合わせ、分析することで、校長の学校の組織マネジメントに関する考え方と学校評価との関係について、理論的かつ実証的なデータが得られると共に、実践的な示唆を得ることができた。
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