研究概要 |
本研究の目的は,協同学習の話し合い場面において教師が適切に支援できる条件を探り、モデル化することである。3年間の計画の初年度として、今年度は以下のことを行った。 1.信州大学教育学部附属松本小学校ならびに長野県佐久市内の小学校の協力のもとに、ビデオカメラを用いて授業の観察記録を実施し、ビデオデータの編集・保存を行った。現時点では定性的な考察にとどまっているが、授業中の活動を一斉活動(講義)とグループ活動の2種に分類するならば、その切り替え時に教師の即興性が生かされるとともに、子どもたちの学習の進展に影響を与えることが仮説として検討された。 2.アプロプリエーション概念に関する資料として、認知心理学における社会文化アプローチの書籍を収集した. 3.アクションリサーチの基盤形成のため、上記小学校の授業研究会に参加し、当該学校教員とのラポールを形成した。また、静岡県熱海市で開かれたアクションリサーチ研究会に参加し、意見の交換を行った。さらに、米国サンフランシスコで行われた授業研究会"Silicon Valley Mathematics Initiative Lesson Study Open House"に参加し、授業研究の様式について情報交換を行った。 4.これらの活動をふまえながら、授業分析の可能性についての理論的考察を行った。とくに校内研究と学術研究の接点を課題に検討し、アクションリサーチの方法論として"Reaction Search"の指向性を学会誌にて提言した。
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