本研究は、日米両国の先進地域を中心とする学校のビジョン経営形成の検証を行い、学校の活性化と学力向上への実効性をもつ経営ビジョンの内容構成及び組織開発のパターンを解明し、今後各学校が創意ある教育活動を主体的に開発する上で有益な示唆を得ることを目的としている。 平成20年度は本研究最終年度にあたり、過去二年度の研究作業の継続として、次の作業を行った。 (1) 学校の経営ビジョン策定と組織開発の実態に関する調査の実施 協力を得られた事例校(大阪府下自治体・北九州市)の数校に対して、特に校長を中心とした・聴き取り及び資料収集を行い、経営ビジョンの内容構成とそめ意図について、また経営ビジョンに基づく校内組織開発、校外保護者・地域等とのビジョンを介した関係形成の実際を調査した。また、小・中学校のビジョン形成の動向・課題について、数量データ(質問紙)を用いた考察を行った。 さらに、本研究は小・中学校を主たる研究対象としているが、学校経営ビジョンの形成において先進例である公立高校、学校設置会社立高校の事例についても調査し、ビジョン形成プロセスの実際や経営ビジョン形成を支える条件について知見を得た。 (2) 研究成果の発表 以上の成果のうち、本年度は特に、経営ビジョンを介した学校外との関係形成、学校経営ビジョン形成のための条件について、研究の知見を中心に発表した。現段階で未発表の知見(学校経営ビジョン形成の今日的動向と今日的課題等)についてもできる限り早期に発表する。 また、三年間の研究からえられた知見用いて、教員免許更新講習のガイドブック(テキスト)の一部を執筆し、研究成果の社会的還元を図った。
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