研究概要 |
本研究は,アメリカ合衆国における州高等教育財政制度に関する総合的な研究の一部として,特に州政府による大学評価と資源配分の関係を明らかにすることを目的としている。州立大学の業績評価とその公表は全米の約9割の州で実施されているが、それを州交付金の配分とリンクさせている州は約6割に留まる。評価と資源配分の結びつきは直接的なリンク(パフォーマンス・ファンディング,以下PF)と間接的なリンク(パフォーマンス・バジェッティング,以下PB)に分類され、特に1990年代に急速に普及したが、近年は減少傾向にあると言われる。そこで、なぜ、PFやPBが減少しているのか、また、各州はどのようにアカウンタビリティーを確保し、教育研究の質的向上を図るための措置を講じているのかを明らかにするために、州高等教育委員会および州立大学の財務担当者に対するインタビュー調査を行った。 平成18年度は、調査に先立ち、国内外の先行研究をレビューし、続いて全米の州高等教育委員会の協会であるSHEEO(State Iigher Education Executive Officers)、コロラド州立大学ボルダー校(University of Colorado at Bolder)、テネシー州高等教育委員会(Tennessee Higher Education Commission, THEC)、テネシー州立大学(Tennessee State University)の4カ所を訪問し、PF・PBの動向、PFの実施方法、大学側からみた評価について調査を行った。また、その成果は日本教育行政学会第41回大会課題研究において発表した。
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