研究概要 |
本研究は、アメリカ合衆国における州高等教育財政制度に関する総合的な研究の一環として、特に州政府による大学評価と資源配分の関係を明らかにすることを目的としている。州立大学の業績評価とその公表は全米の約9割の州で実施されているが、それを州交付金の配分とリンクさせている州は約6割に留まる(2003年時点)。評価と資源配分の結びつきは直接的なリンク(パフォーマンス・ファンディング、以下PF)と間接的なリンク(パフォーマンス・バジェッティング、以下PB)に分類され、特に1990年代に急速に普及したが、近年は減少傾向にあると言われる。そこで、なぜ、PFやPBが減少しているのか、また、各州はどのようにアカウンタビリティーを確保し、教育研究の質的向上を図るための措置を講じているのかについて、現地でのインタビュー調査から明らかにする。 平成21年度はコロラド州を訪問し、Colorado Department of Higher Education、National Center for Higher Education Management System(NCHEMS), Western Interstate Commission of Higher Education(WICHE)、Metropolitan State College of Denver等を調査した。 また、研究成果として以下の2点をまとめた。 吉田香奈「アメリカにおける州立大学の評価と資源配分」日本教育行政学会研究推進委員会編『学校と大学のガバナンス改革』教育開発研究所、2009年、178-194頁。 吉田香奈・柳浦猛「米国テネシー州における高等教育財政とパフォーマンス・ファンディング」広島大学高等教育研究開発センター『大学論集』第41集、2010年、323-341頁。
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