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2007 年度 実績報告書

戦後オーストリアにおける教育実践に関する総合的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18730512
研究機関甲南女子大学

研究代表者

伊藤 実歩子  甲南女子大学, 人間科学部, 講師 (30411846)

キーワードオーストリア / 労作教育 / Bildungasschule / 教育スタンダード / 学力 / 学力テスト
研究概要

本年度は、1920年代のオーストリアにおける教育実践の中心的思想となった労作教育の影響を、1950年代から60年代の同国の復興期における教育実践をたどることによって考察した。その成果は、本年度7月に提出、11月学位取得した博士課程論文『戦間期オートリアの学校改革-労作教育の理論と実践-』(未刊行)の第8章「戦間期」オーストリアの学校改革の「伝統」」において明らかにした。そこでは、第二次世界大戦中のナチスドイツへの反省から、1920年代の学校改革に戻ろうとする動きが、労作教育の再評価として表れたことを論じた。その際、戦間期においては、労作教育と呼ばれたものが、教育制度改革の契機を内包する「BILDUNGSSCHULE」という総合的な概念も登場したことに着目した。戦後のオーストリアの教育改革には、敗戦国としての復興のための教育改革を経験した日本の教育実践史と重ねあわせ考察することができる。日本での新教育、オーストリアにおける労作教育が、戦後復興の教育改革で取り入れられた背景を探求することも今後継続していきたい課題である。
さらに、本年度は、現在のオーストリアにおいて進められている教育改革、とりわけ教育スタンダードの導入に関して調査し、その結果を、教育目標・評価学会の課題研究において発表した。(2007年12月1日)、大阪経済大学、課題研究1「学校教育において能力をどう語るか-PISA以後-」)。そこでは、ドイツおよびオーストリアのPISAショックを概観した上で、オーストリアが現在取り組んでいる教育スタンダードの導入とその成果を評価するための学力テストについて論じた。教育スタンダードをめぐる改革は、現在ももちろん進行中であり、継続的に見ていく必要がある。特に、日本でも大きな議論となっている学力テストのあり方については、ドイツおよびオーストリアと日本の3カ国比較を行う必要があると考える。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] 「オーストリアにおけるPISAショックとその後」(課題研究1「学校教育において能力をどう語るか」に登壇)2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 実歩子
    • 学会等名
      教育目標・評価学会
    • 発表場所
      大阪経済大学
    • 年月日
      2007-12-01
  • [図書] 戦間期オーストリアにおける学校改革-労作教育の理論と実践-2007

    • 著者名/発表者名
      伊藤 実歩子
    • 総ページ数
      161
    • 出版者
      課程博士論文(未刊行、2007年7月提出、11月学位取得、京都大学教育学研究科)

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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