研究課題
本年度は、事前に総合選抜制の歴史的資料収集と、調査のための質問紙確定作業を行った。前者については、図書館での関連資料の発掘・収集のほか、関連する議事録の参照などを行い、政策過程論や行政学的知見を織り交ぜつつ、組織社会学・地域社会学的な見地から、最終年度の報告書作成に向けてとりまとめを行っている途中である。後者については、いくつかの既存の質問紙調査の資料や報告書を収集し、実際に現地に赴いて教員と意見を交えつつ質問紙の確定作業を行った。2006年末までに、質問紙の確定版を作成し、必要部数の印刷を行った。あわせて、対象学区の校長に調査依頼を行い、総合選抜制実施地区とそうでない地区、合計8校の協力を得た。また質問紙確定作業の途中で、多くの既存の質問紙調査の再検討、再分析も行った。その成果の一部は、学会発表論文にまとめられたほか、一部は投稿審査中である。また、筆者はこれまでも、選抜制度に焦点をあてて研究を続けてきたが、その成果として、推薦入学制度を中心とした高校入試制度改革に関する社会的分析の単著を上梓した。推薦入学制度も、学区制、総合選抜制の実施の有無とあわせて、高校入試制度における重要な論点であり、また相互に関連している。ただし、推薦入学制度は広く普及し、全国的に実施されるにいたったが、総合選抜制は一部への普及にとどまり、近年は廃止の方向に大きく動いている。本書においては、その経緯が、世論や、マスコミの論じ方などをあわせて分析されている。
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教育社会学研究 78
ページ: 363-365
paper presented for Asia-Pacific Educational Research Association, International Conference 2006