研究概要 |
本研究は、フランスにおける教育の民主化と不平等について、特に低階層および移民の子どもを対象にかれらの学力問題から、かれらに対する開かれた教育保障について言及するものである。 60年代以来の数量的な拡大(教育の大衆化)から、80年代以降の質的に目標とされた低階層の子どもの学業の成功への成果(教育の民主化)は、充分に得られずにここまで来たと分析されている。 本研究では、25年間の教育優先地域(ZEP)政策の整理と、低階層の集住地域における学業問題と、さらには、海外県(レユニオン)と本土との比較から教育の民主化について考究した。 これら経済、社会、文化背景と学業には, 強い相関がみられ、貧困の連鎖、移民に対する差別(スティグマ)と学習意欲の低下、就職における差別(移行)問題が浮上した。 以上より、郊外地域における教育優先地域の政策は、より対象を狭め、より多くの学習支援が必要であると同時に、教育外の都市政策、雇用、住宅問題までをも含めた総合的な教育政策・計画が重要である。
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