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2008 年度 実績報告書

学校と地域の関係性の変容 : インドネシアバリ州美術高校の誕生と死を描く学校誌

研究課題

研究課題/領域番号 18730529
研究機関大東文化大学

研究代表者

田尻 敦子  大東文化大学, 文学部, 准教授 (00327991)

キーワードインドネシア / 学校と地域 / 状況に埋め込まれた学習 (LPP) / 職業高校SMK / 美術高校 / バリ島 / 芸術文化の創造 / 学校誌
研究概要

本研究においては、インドネシアバリ州ギャニアール県ウブドゥ郡の私立美術高校の誕生から死までを学校誌として描くことを試みた。その歴史的過程で、学校と地域の関係性がいかに変容したのかを明らかにした。私立美術高校ウブドゥ校は、地域の画家達の発案により、チョッコルダ王家の関わる財団のもとで設立された。一方、国立美術高校デンパサール校は、ジョクジャカルタの芸術学院ASRIで学んだカジェン女史の発案で設立された。その両者は、合併と分離を繰り返す過程で、バリの文化芸術を多方面から支える人材を輩出した。国際的芸術家、文化庁長官、アートセンター長、芸術家協会会長、芸術大学の教員、小中高の美術教員など、その卒業生らはお互いに連携を保ち、芸術村ウブドゥのアイデンティティを活性化している。バリ州の美術高校は、地域の画家、王族、役人、教員、観光客、海外からの芸術家、文化人類学者、インドネシア国家のイデオロギー、バリ州の文化政策との関係性のもとで、学びの場を提供してきた。
しかし、アジア通貨危機以降、私立美術高校の生徒は減少をはじめ、本研究が終了した年度に、廃校となった。その背景には、学校、地域、国家、市場の関係性の変容が存在する。美術高校の誕生から衰退までを五世代に渡り、学校誌として描くことで、公教育とは何か? 地域における学習はどうあるべきか? という問いを提起した。学校は廃校となったが、いかにして地域で学びの場を活性化し、学ぶべき知と技と徳をどう伝えるのか? という問いを探求するのが今後の課題である。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] 共に学び実践する人々の共同体〜権力の網の目に埋め込まれた個人がいかにして学ぶのか?2009

    • 著者名/発表者名
      田尻敦子
    • 雑誌名

      大東文化大学人文科学研究所コミュニティにおける学習

      ページ: 31-39

  • [雑誌論文] インドネシアにおける職業高校のカリキュラム改変と統合〜職業高校の急激な増加の問題点〜2009

    • 著者名/発表者名
      田尻敦子
    • 雑誌名

      大東文化大学人文科学研究所コミュニティにおける学習

      ページ: 40-64

  • [雑誌論文] バリ島の絵画作品を通して自らをみつめる2009

    • 著者名/発表者名
      田尻敦子
    • 雑誌名

      大東文化大学人文科学研究所コミュニティにおける学習

      ページ: 116-122

  • [学会発表] バリ美術界を育んだ女性の葛藤〜バリ島の美術高校創立者イブ・カジェン女史のライフヒストリー〜2008

    • 著者名/発表者名
      田尻敦子
    • 学会等名
      関係性の教育学会
    • 発表場所
      大東文化会館
    • 年月日
      2008-07-10
  • [備考] 著者イ・クトゥット・ブディアナ翻訳田尻敦子「自らをみつめる Melihat Diri〜作品を通じたコンセプトの理解〜」『コミュニティにおける学習』2009大東文化大学人文科学研究所p125-131

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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