平成19年度は18年度に引き続き、1.理論的研究と2.各国における大学経営の実態の研究および3.文献などの資料収集を中心に研究活動をした。 1.理論的研究に関しては、初年度に行った比較制度分析による大学ガバナンスや制度に関する分析をさらに深めるため、文献の精読および理論構築のための基礎的作業に従事した。特に平成20年度における最終報告書の完成度を高めるために、組織論、経営論などをさらに詳細にレビューした。 2.各国における大学経営の実態に関しては、イギリスの大学におけるガバナンスの実態を明らかにするため、各種資料などを収集し、分析した。また18年度に行ったイギリスにおける現地調査(19年2月)にもとづき、具体的な大学ガバナンス論の構築に向けた作業を行った。日本の大学に関しても資料を収集/分析をはじめた。具体的には日本の高等教育研究における大学経営論のレビューを行い、それにもとづき各大学の、特に国立大学法人における中期計画/中期目標のあり方や、独法化後のガバナンス・システムに関する研究を行った。 3.文献の収集に関しては、経営学や経済学などの文献、個別大学の資料などを精力的に収集している。19年度は基礎的な作業に従事したため、予定していた中間報告という形でまとめなかったが、19年度後半から最終報告書に向けた執筆作業にはいっており、その成果は20年度に順を追って公表する予定である。
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