研究概要 |
研究初年度となる平成18年度は,高校生の大学に対するニーズを把握するために,新潟大学が高校生を対象に県外で実施している説明会について,参加者へアンケート調査を実施し,説明会への評価と参加者の特性の分析を行った。説明会で提供される情報が参考になった程度を尋ねたところ,全体的に評価は高かった。最も参考になった程度が高かったのは大学の概要紹介,最も低かったのは個別相談であった。 新潟大学への進学希望状況を1・2年生と3年生に分けて集計したところ,3年生では約75%が新潟大学を希望していると回答したが,1・2年生では42%ほどにとどまった。未定と回答した割合は1・2年生で約54%と高く,また3年生でも約22%が未定と回答した。進学希望が未定の参加者に,説明会に参加することによって,新潟大学に対する興味や関心を高めてもらうように,彼らに向けて適切な情報提供をすることが重要であることが示唆された。 進路を決定する時にどのような情報を重視して決定しているのか,10項目を挙げて尋ねた。重視をしている程度が高かったのは,「大学の授業内容に関する情報」,「卒業後の就職・進学状況に関する情報」,「入試科目(科目数や科目名)に関する情報」,「取得可能な資格・免許に関する情報」,「大学の施設・設備に関する情報」の5項目であった。重視する程度が最も低かったのは,「推薦やAO入試の有無に関する情報」だった。高校生のキャリア発達支援のためには,大学でどのようなことが学べ,またその先にどのような進路が開かれているのかを一連の情報として提供する必要があることが明らかになった。 また,大学進学希望者に関する基本データ収集のため,選抜区分ごと(推薦,一般選抜)の特性の違いについて,入学初年次に実施されるTOEICの成績を基に検討を行った。
|