研究概要 |
本研究の目的は,「オーセンティック・アセスメント」と呼ばれる評価理論を社会科(市民性教育)に対応させ,我が国の教育現場で利用可能な目標準拠評価の体系的理論と分析ツールを示すことにある。 本年度の研究では,学習成果を捉えるために,アメリカで実践された社会科授業とその開発過程を確定し,教授案形式でモデル化することに成功した。そのモデル化の過程を「オーセンティック概念に基づく社会科授業開発モデル-知識構築型授業への転換-」『教育実践総合センター紀要』(長崎大学教育学部)第6号2007年3月79頁〜91頁にまとめた。 またオーセンティック・アセスメントの代表的教材を取り上げ,社会構築主義社会科教育の特質を考察し,学習成果の側面から学力像をモデル化した。結果,オーセンティック・アセスメント社会科は,自己の見解を社会諸科学の分析方法と民主的価値により正当化し行動できるかどうかを学力モデルとして設定していることを明らかにした。その成果は「市民的行動力を育成する社会科の学力モデル-Real-World Investigations for Social Studiesの場合-」『日本社会科教育学会 全国大会発表論文集 第3号』2007年10月210頁〜211頁にまとめている。
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