研究概要 |
大正自由教育期における社会系教科教育実践について,これまで実施してきた「授業レベル」の考察を土台にして,「教科カリキュラムレベル」にまで検討の視野を広げて,伝統的社会系教科が変革にむかう過程と到達点を明らかにするために,今年度は次のような手順で研究を進行させた。 まず,これまで蓄積してきた「授業レベル」の考察において収集してきた各種資料を再整理及び再点検した。これまでの研究の主眼は「授業レベル」であったが,収集を進めてきた大正自由教育期の実践資料は多種多様なものである。その中には,収集はしたものの本格的な考察や分析に及んでいないカリキュラム関連の資料も幾つか存在する。そのため,今一度,収集済みの資料を再整理及び再点検して,更に新たに収集を進めるべき資料の目途をつけた。今年度は,これまで発掘に至っていない資料も幾つか収集することができた。再整理・再点検した資料及び新たに収集した資料は,今年度は次のような手順で分析を実施した。 (1)まずパソコンを購入した。(2)これまで既に収集した大正自由教育期の社会系教科関連の資料を「教科カリキュラム」の視点から再整理及び再点検してカリキュラムの性質ごとの分類を実施した。(3)大正自由教育期の社会系教科カリキュラムに関連する新たな研究図書や資料図書を収集して,購入もしくは複写した。(4)大正自由教育期の社会系教科カリキュラムに関連する新たな雑誌論文等を収集して複写した。(5)大正自由教育期の社会系教科カリキュラムに関連する新たな印刷物等を収集して複写した。(6)整理・収集した社会系教科カリキュラムの記録を,統一した教科課程表の形式に再構成する準備を行った。(7)カリキュラムの記録の一部をスキャナで読み込み,PDFファイル形式でパソコン内に一時保存した。(8)大正自由教育期の社会系教科カリキュラムの分析を,これまでの研究成果と比較しながら進行させた。(9)関連する学会に参加して,本研究に関連する最新の成果も確認をした。(10)以上の研究手順を通して,大正自由教育期の社会系教科カリキュラム変革の特質を明らかにするための基礎的なデータの整理ができた。 次年度は,今年度の蓄積をもとにして,更に資料の収集と分析を進行させていく見込みである。
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