研究概要 |
今年度は本研究課題の最終年度ということで,昨年度までに授業実践ないし収集したデータの分析と,昨年度までの授業実践で得た知見を活かして再度の実践をおこなった。 まず,昨年度実施した授業実践(高校生を対象としたロールプレイ)についての分析については,論文にまとめて査読誌に投稿した。また,授業実践研究の分析に基づいたフィードバックを研究協力者に行うともに,研究協力者との討議により,日本語教育の概念を応用した指導法の可能性を検討した。この検討は今年度の新たな実践に活かされている。 同じく昨年度収集した小中高生の聞き取り能力に関するデータの分析については,「日本語能力試験による中高生の聞き取り能力調査」というタイトルで,第114回全国大学語教育学会(於 : 茨城大学)で口頭発表を行った。そして,小学生のデータも含め,国語教育の聞き取りの改善の観点から論文にまとめ,査読誌に投稿した。また,小問別正答率を中心に母語話者(小中高生)の観点から日本語能力試験(聴解試験)の構成概念について論文にまとめ,査読誌に投稿した。一連の研究のまとめとして,研究協力者との討議により,国語教育における聞き取り指導のあり方について改善の方向を検討した。 さらに今年度は,昨年度までの授業実践で得た知見を活かして再度の実践をおこなった。平成21年2月26日・27日に愛媛県西余市立狩浜小学校にて,小学生を対象としたロールプレイの授業実践をおこなった。報告書に代えて論文の形で発表し,成果を普及させるために小学生向けロールプレイの市販教材を企画・執筆中である。
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