本研究課題では、グラフィックデザインの作品制作の過程において、特に、情報をデザインする課題作品の向上と授業の改善に焦点を当てた。制作過程では自身の作品だけでなく、他者の作品内容を知ることで、自身の作品へ適切にフィードバックさせる力を付けることを目指した。 情報デザインに特化した課題の一つに、地図製作がある。このような題材の場合、何回もの見直しと修正、他者の意見を取り入れることが重要になる。そのため、作品は教師による評価のみならず、きるだけ多くの授業参加者から客観的評価を得られることが重要と考えた。時間が制限されるなかで、一度きりではなく、何回かの見直しを加えることで、作品がより洗練された、完成度の高いものになることを目指した。このような方法を用いることで、他者を理解する態度と、コメントを付けることによるコミュニケーション能力の向上もねらった。 授業は、一人一台ずつPCを利用する大規模演習室で行われることを想定した。上記のような過程を実現させるため、支援する教材開発を行い、試作と改善を繰り返し行った。本年度は、デザイン系の授業において情報デザイン教材コンテンツとして、試作と修正を繰り返し行ってきた「COMSUD Education」について、これまでの結果をふまえつつ、改善作業を数回行った。評価の観点についても、随時修正とアップロードができるようにした。繰り返してできた作品の経過確認の表示方法について改善し、インタフェイスのデザインにも修正を加えた。
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