研究概要 |
関係する先行研究の総括より,試行版・行動障害支援マニュアルを作成した。試行版・行動障害支援マニュアルでは,行動障害のアセスメント[(1)行動問題のアナログ記録シート,(2)行動問題のMASシート(Motivation Assessment Scale, Durand & Crimmins, 1992)]+行動障害支援方略シート+評価のための行動記録シートから構成された。【研究I:学校現場における自閉症の行動障害に関するアンケート調査】学校現揚において自閉症への対応に対する教師の「困り感」を調査するために,[児童・生徒のプロフィール][もっとも対応が困難であった行動問題/どのような状況・きっかけであるか/どのような対応をしたか/機能の推測]について,自由記述形式による調査を行った。その結果,「もっとも対応が困難である行動」として,「他傷・攻撃行動」が23.1%,「活動不参加」が19.0%,「騒がしさ」が14.3%となった。強度行動障害判定基準表(厚生省)には含まれていない「活動不参加(19.0%)」「情緒的反応(8.8%)」「性的関係(2.7%)」などが一定数存在した。【研究II:試行版・行動障害支援マニュアルの効果の検討のための予備的実践】行動障害支援マニュアルの効果を検討することを試みた。研究II-1:家庭場面における行動症障害支援マニュアルに基づいた実践研究,研究II-2:協力いただいた公立養護学校における研究テーマ「自閉症の理解と援助司行動問題への対処:社会に出て豊かな生活をおくるために-」,研究II-3:協力いただいた聾学校幼稚部における行動障害支援マニュアルに基づいた実践研究:協力いただいた公立聾学校幼稚部において,「自閉症を併せ有する聴覚障害幼児への指導と連携-ソーシャルスキルトレーニング-」が実施された。
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