研究概要 |
共形場理論によって与えられるA型のアフィンLie代数と有理Cherednikの最高ウエイト表現の圏の間の対応(関手)が, 圏同値を与えていることが, Raphael Rouquier氏の助言に基いて示された. この一連の結果については, Cambridge大学のNewton研究所にて行われた国際研究集会"Algebraic Lie Structure with Origins in Physics"において講演を行った. また, この対応の拡張について考えるため, 国内外の研究者とのディスカッションを多く行った. 特に, 上海の華東師範大学のHebing Rui氏を訪ね, Hecke代数およびBirman-Murakami-Wenzl代数について議論を行い, 上の対応のA型以外の場合への拡張に関する重要な知見を得た. さらに, A型のtwistedアフィンLie代数に付随したオービフォールド共形場理において, 複素鏡映群に付随したCherednik代数が登場することがEric Vasserot氏等により指摘され, この対応についても研究を行った. 特に, A型の場合を含め, critical levelの場合に, アフィンLie代数とCherednik代数の中心の間の関係がこの対応を通して得られると期待しており, 荒川知幸氏と共同で研究中である. 他に, 循環的組合せ論を用いたCherednik代数の表現論への応用に関する論文を投稿準備中であるが, この結果は, 米国の研究者によってCherednik代数のユニタリー表現の分類に応用された他, toroidal量子砲絡代数の対応する表現についても研究が始まっており, 重要性を増している, 今後とも研究を継続して行きたい.
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