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2006 年度 実績報告書

射影図による2次元結び目の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18740026
研究機関神戸大学

研究代表者

佐藤 進  神戸大学, 理学部, 助教授 (90345009)

キーワード2次元結び目 / 曲面結び目 / 射影図 / シート数 / カンドル / スパン結び目 / ブレイド指数
研究概要

1.4次元ユークリッド空間に埋め込まれた閉曲面(これを曲面結び目という)が、その空間の中でどれくらい複雑に結ばれているかを表す指標のひとつとしてシート数が定義される。これは曲面結び目の3重点数とならんで、通常の結び目(3次元ユークリッド空間内の円周)の交点数の概念の拡張となっている。
これまでの、カンドル不変量を用いて3重点数の評価を与える研究の中で得られた手法などを土台とすると、本年度の研究において、曲面結び目のシート数の決定にカンドル彩色が非常に有効な道具であることがわかった。具体的には次の結果を得た。
(1)非自明な基本カンドルをもつ球面結び目のシート数は4以上。
(2)非自明な5彩色をもつ球面結び目のシート数は5以上。
(3)非自明な7彩色をもつ球面結び目のシート数は6以上。
一般に、結び目Kに付随する(0ツイスト)スパン結び目のシート数は、高々c(K)+1であることがわかる(ここでc(K)はKの交点数)。上記の結果の系として、Kが3-1(三つ葉結び目)、4-1(八の字結び目)、および5-2結び目の場合には、そのツイストスパン結び目のシート数がちょうどc(K)+1に一致することが示せた。
2.(1次元の)結び目のブレイド指数の2次元版として、向き付け可能な曲面結び目Kに対してもブレイド指数Braid(K)が定義される。以前の研究で、曲面結び目K,Lが共に自明な球面結び目でないときには、その連結和K#Lに関して、不等式
Braid(K#L)<Braid(K)+Braid(L)-1
が成り立つことを示した。その証明は射影図の立場からの複雑なものであった。本年度の研究において、当時の証明を動画法によって見直すことで、非常に簡明な説明をつけることができ、その応用として不等式
Braid(K#L)<Braid(K)+Braid(L)-2
をみたす曲面結び目K,Lの組を発見できた。このような現象は1次元結び目では起こらないことが知られている。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (4件)

  • [雑誌論文] Ribbon concordance of surface-knots via quandle cocycle invariants2006

    • 著者名/発表者名
      Shin Satoh
    • 雑誌名

      J. Aust. Math. Soc. vol. 80, no. 1

      ページ: 131-147

  • [雑誌論文] Ribbon moves for 2-knots with 1-handles attached and Khovanov-Jacobsson numbers2006

    • 著者名/発表者名
      Shin Satoh
    • 雑誌名

      Proc. Amer. Math. Soc. vol. 134, no. 9

      ページ: 2779-2783

  • [雑誌論文] The braid index is not additive for the connected sum of 2-knots2006

    • 著者名/発表者名
      Shin Satoh
    • 雑誌名

      Trans. Amer. Math. Soc. vol. 358, no. 12

      ページ: 5425-5439

  • [雑誌論文] A lower bound for the number of Reidemeister moves of type III2006

    • 著者名/発表者名
      Shin Satoh
    • 雑誌名

      Topology Appl. vol. 153, no. 15

      ページ: 2788-2794

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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