研究課題
情報技術の発展に伴い、機密性の高いデータがネットワーク上を流れることが多くなり、数学的に安全性の裏付けられた、より強力な情報セキュリティが必要とされている。本研究ではこれまでに、離散数学を利用して情報通信のセキュリティを高める、暗号鍵更新方法や電子署名強化方法、暗号強化方法などを特許出願していた。これらの離散数学を用いた情報セキュリティアルゴリズムは、現在使われているアルギリズムよりも数学的に優れていることが証明でき、情報化社会を支える重要なアルゴリズムとなることが期待できる。本研究テーマでは、これらのアルゴリズムを数学を知らない人でも使えるように、論文だけではなく実際にプログラムを作り実験して、誰でも簡単に使える形にして提供することを目的としている。以下の相互に関係の深い2種類の研究を行った。1:擬似乱数発生法の並列化とグラフの分散彩色問題の研究。並列計算によるシミュレーションをするときに、擬似乱数をできるだけ相関が少ないように配置するためのグラフの分散彩色問題の最適解を求める研究を行った。格子グラフ及び三角格子について必要な色数を求め、格子グラフについては実際に少ない色数で分散彩色するいくつかのプログラムを作成した。2:既に特許出願している暗号強化方法の問題点を検証し、改良を進めた。また、暗号の鍵情報を関数に組み込むだけでなく、関数の選択に利用する暗号化アルゴリズムのアイデアの有用性を確かめるため、ミニモデルでの実験の準備を進めた。本研究は19年度に実験を進めて成果をあげることを目指す。
すべて 2006
すべて 雑誌論文 (1件)
eSTREAM, ECRYPT Stream Cipher Project, Report 2006/023 http://www.ecrypt.eu.org/stream
ページ: 23