研究概要 |
曲面Fが与えられたとき、F上のどんな三角形分割が多面体として実現できるかどうか(多面体的実現可能か)という問題を考える。Steinitzの定理により、任意の3-連結平面グラフは多面体的実現可能であることが示されている。近年、トーラス上の任意の三角形分割も多面体的実現可能であることが証明されたが、その他の閉曲面に関してはそのような研究はあまり進んでいない。そのような問題意識を基にして,本研究では、与えられた向き付け不可能な閉曲面の三角形分割が、ある1つの面を取り除いくことにより、多面体的実現可能かどうかを考える。すでに、射影平面に関してはそのような事実を証明することができたが、今年度は、クラインの壷の5-連結三角形分割に対して、同様の事実が成立することを証明することができた.連結度に関して、これを拡張するには射影平面の三角形分割の性質に関する詳細な記述が必要であると考えられ、来年度に向けて、その研究を開始したところである。
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