研究概要 |
Subdirectly irreducibleな有限Heyting代数,および有限Kripkeフレームを特徴付ける論理式,すなわちcanonical formulaの研究は,FineやJankovによる研究をはじめとして,すでに多くの結果が知られている.そして,これらの結果の背景には,代数とフレームという,二つの数理構造の双対性が深く関わっていることもよく知られている.本研究の主要な目的の一つは,これらの理論をcoalgebraにより一般化することにある.それにあたり,まず,これらの研究結果から,有限という条件を取り除き,一般化をすることに着手している。昨年度までの研究で,subdtrectly irreducibleなHeyting代数で,T-regularとよばれる,ある条件を満たすものについて,論理式による特徴付けが可能であることが明らかしてきた(その結果は本年度のStudia Logicaに掲載された).本年度は,一般のKripkeフレームについても,論理式による特徴付けが可能であることを明らかにし,12月に開催された2007年度MLG数理論理学研究集会で発表した.この二つの結果の背景にも,やはり,代数とフレームとの間の何らかの双対性が関わっていることが予想されることからT-regularなHeyting代数と,Kripkeフレームのdual algebraとの間の関係を明らかにするという,新たな研究課題が派生することになった.
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