研究概要 |
Subdirectly irreducibleな有限Heyting代数, および有限Kripkeフレームを特徴付ける論理式, すなわちcanonical formulaの研究は, FineやJankovによる研究をはじめとして, すでに多くの結果が知られている. そして, これらの結果の背景には, 代数とフレームという, 二つの数理構造の双対性が深く関わっていることもよく知られている. 本研究の主要な目的の一つは, これらの理論をcoalgebraにより一般化することにあった. それにあたり, まず, これまでの研究結果から, 有限という条件を取り除き, 一般化をすることに着手した. ところが, 昨年度までの研究で, subdirectly irreducibleな(有限とは限らない)一般のHeytillg代数をcanonical formulaで特徴付けるのは困難で, T-regularとよばれる, ある条件を満たすものについてのみ, canonical formulaによる特徴付けが得られたのに対し, 一般のKripkeフレームについては, ごく自然にcanonical formulaによる特徴付けが可能であることが分かった. このことを踏まえ, Kripkeフレームの双対であるようなHeyting algebraとT-regular Heyting algebraの関係を調べ, 11月に開催された2008年度MLG数理論理学研究集会で発表した.
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