量子暗号に関する問題に動機付けられ、観測量の非可換性が情報理論にどのような制限を与えるか、についていくつかの視点から調べた。具体的には、(1)情報撹乱定理の一般化(2)トレース距離とフィデリティを用いた情報撹乱定理の導出(3)保存量があるときの測定過程の限界をあらわすWigner-Araki-Yanase 定理の量的表現の導出(4)Landau-Pollak 型不確定性関係の一般化(5)同時測定に関する不確定性原理の導出(6)量子コルモゴロフ複雑性を用いた量子暗号の安全性についての新しい定義と解析、を行った。
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