研究概要 |
平成18年度は線形波動方程式とSchrodiner方程式に対して、初期値が球対称である場合に,重みつきStfichartz型評価式を考案した.さらにChrisfとKiselevの補題を援用することにより非斉次の波動方程式とSchrodinger方程式に対して、球対称な外力項を持つときの重みつき評価式を考した.非斉次項が球対称な波動方程式の場合にはこれはHarmseの重みがつかない評価式をを重みがついた評価式に拡張したことに相当している.このような評価式の応用として、べき乗型の非線形項を持った波動方程式とSchrodinger方程式に対する初直問題を取り扱い,小さな時間大域解の一意存在を藤田・加藤の原理に則って証明することを行った.球対称な値を持つときは,そうではないときと比べて,初期値の空間のなめらかさの指数の範囲を,その値が小さい方に相当に広くとれることが非線形波動方程式の場合にLindbladとSoggeにより部分的に示されていた.上述の重みつき評価式を用いて,LindbladとSoggeの波動方程式に対するこの結果を最良にまで拡張することに成功した。一方,非線形Schrodinger方程式に対するこの結果を最良にまで拡張することに成功した。一方、非線形Schrodinger方程式に対しては,初期値の空間のなめらかさの指数が負であっても、藤田・加藤の原理に則って小さな時間大域解の一意存在を示すことに成功した.これらの結果は論文Small solutions to semi-linear wave equations with radial data of critical regularity"およびNonlinear Schrodinger equations with radially symmetric data of critical regularit"として纏めて投稿中である.
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