研究成果としては、時間分割近似法をガウス過程に適用して、ガウス型の経路積分が数学的に厳密な意味をもつ汎関数のクラスを与えた。このクラスに属する任意の汎関数に対して、ガウス型の経路積分の時間分割近似法は広義一様収束する.また、このクラスは、一点での値、Riemann-Stieltjes積分、線積分など基本的な汎関数を含み、和と積、平行移動、線形変換、汎関数微分に対して閉じているため、多くの汎関数を例にもつ。さらに、このガウス型の経路積分においては、汎関数微分に対する部分積分の公式、汎関数微分に対するテイラー展開、平行移動不変性、直交変換不変性、Riemann-Stieltjes積分との順序交換定理、極限との順序交換定理、微分積分学の基本定理が成立する。(投稿し;回答待ち状態である。) 論文としては、従来から続けてきた学習院大学の藤原大輔先生との1.大きな次元の振動積分の停留位相法の余りの改良された評価についての論文と2.多項式オーダーの汎関数を振幅にもつFeynman経路積分の準古典漸近展開の第2項の論文をようやく出版することができた。 口頭発表としては、海外では、5月13日にアメリカのネブラスガ・リンカーン大学の国際会議「The Feynman Integraland Related Topics in Mathematics and Physics」、8月11日にドイツのポツダム大学での国際会議「Partial Differential Equations on Noncompact and Singular Manifoldsl、3月29日にフランスのマルセイユのCIRMでの国際会議「Microlocal Analysis and Harmonic Analysis in Inverse Problems」で口頭発表を行った。個内では、7月9日に筑波大学の研究集会「逆問題ワークショップで口頭発表を行った.12月11日〜12月14日は京都大学数理解析研究所の研究集会「微分方程式系の代数解析と完全WKB解析」の副研究代表者となり、14日に口頭発表を行った。
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