研究成果としては、区分的に陪特性な経路を用いた時間分割似法で、相空間Feynman経路積分が数学的に意味をもつ汎関数のクラスを与えた。厳蜜に言えば、このクラスに属する任意の汎関数に対して、相空間経路積分の時間分割近似法は広義一様収束する。このクラスは、運動量を扱う汎関数の一部を除外しているため、和と積に対して閉じている。これにより、相空間経路積分可能な汎関数の多くの例を創ることができる。応用として、相空間経路積分と時間に関する積分との順序交換定理、相空間経路積分と極限との順序交換定理、ハミルトン型の準古典近似を証明した。 論文としては、上の結果「Phase space Feynman path intergrals via piecewise bicharacteristic paths and their semiclassical approximations」が雑誌「Bulletin des Sciences Mathematiques」で現在In Pressでホームページ上でダウンロード可能である。また、時間分割近似法による経路積分の理論の概説「Feynman path integrals and Semiclassical approximation」を雑誌「RIMS Kokyuroku Bessatsu」で発表した。 口頭発表としては、7月18日にスイスのチューリッヒでの国際会議ICIAM07、8月4日に慶應大学COEセミナー、9月25日にドイツのドレスデンでの国際会議「Path integrals-New Trends and Perspectives」、10月15日に広島大学での研究集会「確率論とPDE」、11月22日に東京理科大学談話会、12月14日に東京大学での研究集会「微分方程式の総合的研究」、2月18日に大阪大学でのシンポジウム「Function Spaces and PDE」、3月19日にポルトガルのリスボン大学GFMセミナーで発表した。
|