相空間経路積分が数学的に厳密な意味をもつ一般的な汎関数のクラスを研究した。厳密に言えば、相空間経路積分の時間分割近似法が、位置と運動量の関として広一様収束するような汎関数のクラスを与えた。このクラスは、不確定性原理にかかわるような汎関数を排除しているため、和と積に対して閉じている。ゆえに、相空間経路積分可能な汎関数のかなり多くの例を作ることができる。さらに、不確定性原理にかかわらない条件のもとで、Hamilton型摂動展開、Hamilton型準古典近似を証明した。研究結果「Phase space Feynman path integrals viapiecewise bicharacteristic paths and their semiclassical approximations」を、論文として、雑誌「Bulletin des Sciences Mathematiques」で出版した。口頭発表としては、海外では、9月26日にイタリアのカリアリ大学での国際会議「Decay and regularity for solutions of Differential equations and dynamical systems」、1月6日にワシントンD.C.でのアメリカ数学会の学会で発表した。国内では、5月26日に京都大学数理解析研究所での研究集会「完全WKB解析と超局所解析」、6月20目に岡山大学の「Analysis and Probability seminar」、2月16日に東京理科大学(野田)の「Seminar on Functional analysis and Global analysis」で発表した。
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