研究概要 |
18年度にはdegenerate Keller-Segel system の弱解の存在と非存在に関する臨界指数を決定に関する研究成果を得た. 具体的には, (i)degenerate Keller-Segel systemの優臨界指数における小さい初期値をもつ時間大城解の漸近形をもとめた. (ii)更に,優臨界指数におけるdegenerate Keller-Segel systemが爆発解を持つための初期値に対する十分条件を示した. (iii)特に,臨界指数におけるdegenerate Keller-Segel systemの時間大域解の存在を保証するための初期値に対する最良定数を決定した. (iv)また,臨界指数におけるdegenerate Keller-Segel systemの大きい初期値に対する爆発解の存在を証明した. (v)degenerate Keller-Segel systemの解の有限伝播性を証明した. より詳しくは,熱方程式には有限伝播性がない,即ち「初期値がcompact support を持っても,その解のsupportは瞬時に領域全体に広がってしまう」という物理モデルとしては不都合な面をもつ.一方での解は,有限伝播性をもつ,即ち「初期値 がcompact supportを持っていれば,その解のsupportもcompactであり続ける」という性質をもつ.我々の考えてきた「非線形な拡散項」を持つKeller-Segel systemの解が有限伝播性という自然な性質をもつことを検証した.
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