研究概要 |
19年度にはdegenerate Keller-Segel system(KS)の任意の弱解のもつ有限伝播性とその界面について研究成果を得た.また(KS)の爆発解の漸近挙動に関する研究成果を得た. 具体的には, (i) (KS)の解の有限伝播性を,一般の弱解に対して証明した.即ち「初期値がcompact supportを持っていれば,その解のsupportもcompactであり続ける」という性質をもつことを検証した.更に,(KS)から自然に定義される速度により記述される,ある常微分方程式の解として界面曲線を特徴付けることに成功した. (ii) (KS)のあるクラスの爆発解は,臨界指数において,高々有限個の特異点のみを有することを検証した.更に爆発時刻において解は,delta関数的な特異性を有することを証明した. (iii) 優臨界指数における(KS)の爆発解は,べき乗がやはりdelta関数的な特異性を有することを証明した.
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