研究概要 |
是までの二年間で予定が順調に進み, 当初の目標がほぼ完成したため, 本年は研究計面を新しい観点から見直し, 発展や用応用を探求する年となった. 筆者の"On separable states for composite systems of distinguishable fermions"(Journal of pnyslcs. A, mathematical and general)ではフェルミオンのグレーディングと独立性の概念を明確に位置づけた. こうした考え方が最近他の研究者の目にとまり. 例えばキールらの論文Phys. Rev. A(2008)やまた同じくPhys. Rev. Aにてシラックらに引用された. 申請当初の計画が達せられたといえよう. そこで本年はユニバレンス選択性をフェルミオン系に限らず超対称性系で考察することにした. 近年の動向や背景について言えば超対称性系の作用素環を用いた研究がブッホルツらにより研究され, 1次元空間上のカイラルフェルミオンーボソンモデルが構成された. これは当研究課題のグレーディングを用いた作用素環の設定で行われている. c*環のグレーディング微分や超対称性状態のモデルに因らない一般的な性質を明らかにするため. フェルミオン対称性の生成子(チャージ)のヒルベルト空間の作用素としでの意味づけを研究した. そこでユニバレンス選択性やそれに関連するテクニカルな数学的な評価が本質的に利いてくることが分かってきた. また作用素論で行われてボゾシーフォック空間での作用素の性質が超対称性状態のGNSヒルベルト空間でもかなり一般的に言えることを明らかにした. こうした内容を摂南大学で行われた数理物理の研究集会で発表した.
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