研究概要 |
17年度までに光赤外線用の望遠鏡架台を実験室内にて開発した。その架台は経緯台式で3m程度までの主鏡が搭載でき、全体重量が4.5t(鏡抜き)である。主鏡セルにトラス構造を採用した。これにより、効率よく軽量化を図れる。本望遠鏡の鏡筒構造は鏡を除いて約1tで、従来の同規模の望遠鏡に比べて1/5以上軽量となる。 18年度に上記望遠鏡の屋外における駆動試験を行った(本研究課題)。その試験では観測高度35度から85度の全天において指向精度3.4秒角、追尾精度0.4秒角/10分間追尾を達成した。この値は当初の目標をクリアし実用に十分耐えうるものである。しかもこの試験では基礎の傾きなどの基本的な補正パラメータを導入したのみであり,さらに高い精度が期待できる。この架台の性能が実証され、本研究の重要な開発要素に達成の目処が付いた。 また、屋外試験では望遠鏡をわずか半日で、室内での解体、運搬、屋外での再組立を行い、その可搬性も実証した。この作業は従来の望遠鏡では一般に2週間以上かかる。 この成果は内外の研究グループに注目され、南極などの望遠鏡建設が困難な場所での観測計に応用されている。
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