研究課題
本年度は昨年度に行った「すばる」望遠鏡の近赤外線スリット多天体分光器(MOIRCS)の分光観測モードを用いた共同利用観測により得られた30個程度の天体の赤外線分光観測の結果の解析を進めた。可視光では暗いため可視光では赤方偏移が決められなかった天体について赤外線でのスペクトルから赤方偏移が決められることを確認した。これらの天体は赤方偏移1から2に分布しており、測光情報を用いて推定していた赤方偏移分布に近い分布が得られた。今回の結果はこの赤方偏移の範囲に多数の隠された活動銀河核(AGN)が分布していることを示唆している。これらの結果の一部は吉川智裕氏(国立天文台)の博士論文の一部としてとりまとめられた。このデータの解析を効率的に行うために液晶モニタを購入した。平行して「すばる」望遠鏡の近赤外線ファイバー多天体分光器(FMOS)の試験観測をすすめた。400本の光ファイバーを天体の方向に精度良く配置して実際に天体の赤外線スペクトルが得られることを確認した。分光器の調整を行うのに用いるために一軸ステージ、アナログ入出カボード、電源を購入した。この試験観測の結果を取りまとめて光学装置開発の国際研究会(SPIE)において口頭発表を行い、集録論文の形で発表した。MOIRCSおよびFMOSの観測から得られた解析データ保存をするためにファイルサーバー用のPCの購入を行った。昨年度購入したハードディスクと合わせてデータ保存に用いた。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (1件) 備考 (1件)
Astrophysical Journal 693
ページ: 507-533
SPIE 7018
ページ: 94
Monthly Notices of the RoyalAstronomical Society 389
ページ: 407-414
http://www.astr.tohoku.ac.jp/-akiyama/indexResSXDS.html