本研究では、超新星、γ線バースト(GRB)等の突発天体の発見報に即応した早期観測を行い、観測結果を速報することにより、極超新星とGRBの残光現象の理解や関連に迫ることを目的としている。今年度は、昨年度に行った観測装置の改造によるテスト観測および本観測を行った。 1.超新星とGRBの早期分光観測 GRBについては、天候が安定する冬季に発生したGRB080205、GRB080229A、GRB080307、GRB080307、GRB080328といった5つのGRBの追観測を行い、それぞれGCNサーキュラーに報告した。その他、光学追観測の立場からX線衛星「すざく」のGRBチームに参加している(Yonetoku et a1.2008)。超新星においては、タイミングや天候等に恵まれず対応できない場合が多く、速報を行うべき観測はなかった。 2.変光星等の早期分光観測、及び分光モニター観測 発見報告がなされた以下の4つの変光星について早期分光観測を行い、速報を行っている。11月2日にうお座にて発見された天体についてはアウトバースト中の矮新星(CBET1126)、11月20日にへび座にて発見された天体はミラ型変光星(IUC8903)、12月25日に発見されたや座V459については新星(CBET1181)、1月19日にうみへび座にて発見された天体はアウトバースト中の矮新星(CBET1229)であることがわかった。 WZ Sge型の矮新星である、GW LibとV455Andのアウトバーストとそれ以降の時期において、低分散分光モニター観測を行った。GW Libについては輝線成分があまり顕著ではなく、その輝線の特徴から軌道傾斜角の低い系であることが分かった。一方、V455 Andについては輝線成分が顕著であり、特にHeII輝線が特徴的なスペクトルであることがわかった。(学会発表)
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