研究課題
本研究の目的は、超強磁場を持つ中性子星マグネターの放射機構を多波長、及び近赤外線領域での偏光観測により解明することである。とくに、突発的な変動をするマグネターをX線の波長域でモニターすることは、放射機構の解明に極めて重要である。私は、2008年度末に打ち上げ予定の全天X線監視装置「MAXI」の開発を進めた。特に、マグネターの放射がよく観測できる2-30keVのX線のモニターを行うガススリットカメラ「GSC」のコリメータレスポンスの作成を行った。また、MAXIの各要素の組み合わせに伴う各種試験に立会い、装置が正常に動作していることを確認した。日本のX線観測衛星「すざく」によるマグネターIEl841-045の観測結果をまとめ上げ、論文をPASJに投稿した。硬X線放射が中性子星表面からの熱制動放射である可能性を指摘することができた。また、10keV以下の放射スペクトルのパラメータにも相関があることを示した。この結果を、パルサー40周年の国際会議(Montrea1, Canada)と、日本天文学会(東京都渋谷区)にて発表した。また、マグネター4U0l42+61の近赤外対応天体に対して行った、世界初のパルス観測の解析を行ない、パルス振幅の世界最高感度の上限値27%を得た。可視光でのパルス振幅とつなげて、パルス成分のべきを評価した。この結果のまとめを論文た仕上げて近いうちに投稿する予定である。さらに、同じ天体に対して、「すばる」とRXTEとの同時観測の観測結果をまとめて、天文学会にて発表を行った(田中他、2008年春季年会)。こちらも数ケ月以内に論文を投稿する予定である。
すべて 2008 2007
すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)
"40 years of pulsars:Millisecond pulsars, magnetars and more", API conference proceedings 983
ページ: 268-270