LHCf実験では、カロリーメータに入肘するガンマ線のエネルギーを5%の粘度で決定する必要があり、これは、光電子増倍管(PMT)の線形性を確保することで実現している。本研究の目的は、PMTひとつひとつの応答関数を紫外レーザーで求めることにより、2%のエネルギー決定粘度を得ることである。これによって、これまで理論的にしか予想されていなかった電磁相互作用異常のLPM効果を実験的に詳細に実証することができる。 18年度の最初の計画は、紫外レーザーを用いて全てのシンチレータおよびPMTの特性を求めることであった。PMTの特性は、複数の印加電圧、5桁にわたる入射光量に対して全72本の測定を完了した。その結果、5%の線形性の変化をとらえることに成功し、この応答関数をもちいることで2%レベルでのエネルギー決定が可能になった。当初シンチレータの位置依存性もレーザーを用いる予定であったが、安定した光量を得るためにベータ線を用いた試験に変更した。当初の計画通り、可動ステージを製作し、全64枚のシンチレータについて位置依存特性を測定した。 第二の計画は、組みあがったLHCf検出器を加速器現場で較正することである。これは、検出器外壁から紫外ファイバを通して、全てのシンチレータにレーザー光を導入するシステムによって実現した。これによって、組みあがった装置に対しても常時応答関数を求めることが可能になった。実際、8月の加速器試験、1月の現場設置試験の際に較正データを取得することができた。 研究は全て計画通りに進行している。現在、当初の予定通り光源光∫止モニタの検討中である。
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