研究課題
これまでガンマ線バースト(GRB)の残光のほとんどはGRBがおこってから約三時間ほど遅れて観測されていた。Swift衛星によってはじめて最初の三時間の様子が明らかになりはじめた。その結果はこれまでの予想を覆すものであった。三時間以降の観測から残光の標準モデルが確立されている。標準モデルを単純に適用すると、エックス線の初期残光は単に三時間以降のt^[-1]の光度曲線を延長したものになると予想される。ところが観測されたエックス線の初期残光は、最初急激に減光して、その後平坦になった後、これまでの冪につながる。これまでのところ残光が平坦になる理由は分かっていない。減光の冪が-1よりも大きいのでほとんどのエネルギーは後半出る。まず思いつくのが、なんらかのエネルギー供給があって減光がゆっくりになった可能性である。ところがこの考えは、GRBでのガンマ線の放射効率が異常に(>70-90%)高くないといけないという問題点を持つ。このような高い放射効率は理論的には大変考えにくい。そこで我々はジェット表面が非一様な場合を考えた。実際、平坦残光をつくれることを示したが、この場合もガンマ線の放射効率は高くないといけないことが分かった。一方、加速効率が時間変化するか、GRBの前に小さな爆発がおこっていれば、このような効率の問題を避けることができることも分かった。観測チームとのタイアップによってこれらのモデルの検証も試みたが、まだ最終的な結論には至っていない。また、X線残光中にGRBがジェット状をしていれば現れるはずの折れ曲がりが見つからないという重要な発見もした。その他、急激な減光の仕方からジェットの形状に制限が加えられる可能性を議論したり、非常に暗いが数が多いかもしれないGRBからの高エネルギーニュートリノや宇宙線への寄与を計算したりした。
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