波形解析の方法を用いて、シンチレータに含まれる放射性不純物量を測定するためのシステムを構築する。本研究では、^<212>Bi(ベータ崩壊)→^<212>Po(アルファ崩壊、半減期0.3μsec)→^<208>Pb(トリウム系列)の連続崩壊の検出を行う。さらに、そのシステムを二重ベータ測定用CANDLESシステムに導入し、上記崩壊を除去することでバックグラウンドを低減化する。本年度は、波形収集のための高速サンプリング(500MHz)FADCを二重ベータ崩壊測定装置CANDLESシステムに導入した際の性能評価と、不純物濃度測定を行うことによる高純度結晶開発を行った。 1、連続崩壊の測定には、時間分解能の評価、および、改善が必要である。CANDLESシステムに前述FADCを8台導入し、大型システムでの性能を見積もった。事象場所を解析から得、それを元に時間の補正を行った。時間補正によって時間分解能は改善し、FADCを全導入した際には、連続崩壊の検出に支障がないことを示した。 2、CANDLESシステム用CaF_2(pure)結晶の不純物濃度を測定した。生産元ごと、および、生産過程ごとにCaF_2(pure)の不純物濃度を調べ、現状よりさらに高純度結晶を得るための調査を進めた。
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