研究課題
我々はガンマ線バースト(GRB)の放射機構を探ることで、その中心天体やジェットの構造に対する考察を行った。また、銀河系内にある超新星残骸における衝撃波の観測から高エネルギー粒子加速に対する重要な知見を得た。主な成果は以下の通りである。1.GRB発生後数百秒くらいに観測される急激なX線減光の起源を内部衝撃波モデルで説明し、さらに、観測される細かい時間変動が我々の放射モデルで説明できることを示した。2.GRB発生後数千秒後くらいに観測される緩やかな減衰を示すX線残光の起源を、内部構造を持つジェットモデルをもちいて説明することに成功した。これらはガンマ線の放射効率を比較的低めに抑えることができ、他に世界で提唱されているモデルや2.のモデルよりも優位である可能性がある。3.同じく、緩やかな減衰を示すX線残光の起源としで2.の理論的解釈に加え新たに、衝撃波に関するパラメータが時間変化するモデルとGRB本体の前の活動があるモデルを提唱した。4.銀河面付近のTeVガンマ線探査で新たに見つかった未同定天体の起源として、年齢10万年程度の古い超新星残骸が宇宙線加速を行うといラモデルを提唱した.5.粒子法により無衝突衝撃波をコンピュータで生成する数値実験法で、コンピュータのメモリを従来のものよりも大幅に節約することのできる手法を開発し、論文にまとめた。これにより、いままでよりもはるかに長い時間(10倍以上)無衝突衝撃波の時間発展を追うことが可能になった。6.超新星残骸RCW86のX線詳細解析を行い、そのスペクトルから衝撃波近傍でかなり効率の良い加速がおこなわれていることを示した。
すべて 2006
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