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2008 年度 実績報告書

高感度天体偏光計の開発と、系内コンパクト天体の放射機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18740154
研究機関広島大学

研究代表者

水野 恒史  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教 (20403579)

キーワード宇宙物理 / X線天文学 / 偏光 / シミュレーション
研究概要

本年度はPoGOLite検出器のプロトタイプモデルを用いた実証試験を中心に研究を行った。2008年2月に行った放射光実験のデータ解析を大学院生を指導しつつ行い、その研究内容は[1]フライトデザインのセンサーおよび読み出しシステムを用いて実験を成功裏に行ったことにより、気球での観測の見通しが立ったこと、[2]シンチレーターの発光特性(エネルギー応答および集光率の位置依存性)を実験的に評価し、それを応答関数に取り込んだことにより、シミュレーションによるデータの再現精度が大きく向上したこと、[3]複数回のコンプトン散乱を起こしたイベントも解析することで、実観測と同等のイベント処理で偏光観測が可能なことを示したこと、の3つに大別される。これらの研究成果は、2編の査読つき論文および国内外の学会発表の形で成果報告を行い、競争の激しい当該分野で世界をリードするとともに、広島大学の修士学生の学位論文としてまとめられた。また米国、スウェーデンとの国際協力を継続しており、61ユニットモデルのセンサーの制作、読み出しシステムの改良などを順調にすすめた。これらの成果を受け、2010年度には61ユニットでのフライトを行い、25-80keVの領域で世界ではじめて「かに星雲」からの偏光観測を行う予定になっている。あわせて、将来の硬X線望遠鏡を用いた偏光観測をにらんだ開発にも取り組んでおり、硬X線ミラーの偏光に対する基礎特性(反射率)を精度よく測定し、硬X線望遠鏡が偏光観測に応用可能であることを実験的に示した。この成果も別途米国の学会で発表し、また共同研究機関と共著で論文に取りまとめた。(掲載決定済)

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] A Monte Carlo method for calculating the energy response of plastic scintillators to polarized photons below 100keV2009

    • 著者名/発表者名
      T. Mizuno
    • 雑誌名

      Nuclear Instrument and Method A 600

      ページ: 609-617

    • 査読あり
  • [雑誌論文] PoGOLite A high sensitivity balloon-borne soft gamma-raypolarimeter2008

    • 著者名/発表者名
      T. Kamae
    • 雑誌名

      Astroparticle Physics 30

      ページ: 72-84

    • 査読あり
  • [学会発表] 気球搭載硬X線偏光検出器PoGOLiteの地上キャリブレーション試験(II)2009

    • 著者名/発表者名
      水野恒史, ほか
    • 学会等名
      日本天文学会
    • 発表場所
      大阪府立大学
    • 年月日
      2009-03-26
  • [学会発表] Beam Test Results of the Polarized Gamma-Ray Observer, PoGOLite2008

    • 著者名/発表者名
      H. Takahashi, T. Mizuno (18番目) et al.
    • 学会等名
      IEEE NSS/MIC
    • 発表場所
      Dresden, Germany
    • 年月日
      2008-10-20
  • [学会発表] Polarization Characteristic of Multi-layer Mirror for Hard X-ray Observation of Astrophysical Objects2008

    • 著者名/発表者名
      T. Mizuno
    • 学会等名
      米国天文学会
    • 発表場所
      Los Angeles, USA
    • 年月日
      2008-04-02

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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