暗黒物質の存在量とバリオンの存在量はわすか数倍の違いしかなく、二つ量の間には何らかの関係があることが期待されます。標準模型を超対称化した際に現れる"平らな"方向と、その際に出来るQボールと呼ばれる非位相的ソリトンを使う事により、この二つの量の間に自然に関係をつけることが出来ます。一方、暗黒物質には何種類かの候補がありますが、宇宙の大規模構造の比較的小さい構造まで見ると、ある程度の速次分散を持ったものが観測と良く合うことが知られています。そのような候補はあまりないのですが、Qボール起源のaxinoと呼ばれる粒子がそのような観測結果を説明することが出来る有力候補であることを示しました。また、バリオン数の非対称性は、レプトン数の非対称性があれば、スファレロン効果によりレプトン数の非対称性をバリオン数の非対称性に転換することが出来、説明することが出来ます。右巻きのニュートリノがマヨラナ型の質量を、つているとレプトン数が保存せず、その崩壊によりレプトン数の非対称性を作ることが出来ます。ブレーンワールドのシナリオでは、プランクスケールブレーンではレプトン数を破る相互作用が一般に大きいですが、我々の住むテブスケールブレーンでは、ワープ因子のためにレプトン数を破る相互作用は小さくなり、一般には十分なレプトン数の非対称性を作ることは難しいと考えられます。しかしながら、そのような相互イ用は、カルツァクラインモードに小さな質量の分離を起こすために、生成されるレプトン数の非対称を増大させることが可能です。我々は、観測されているバリオン数を説明できるくらい十分大きなレプトン数をこのシナリオで説明することが出来ることを示しました。
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