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2006 年度 実績報告書

Sub-TeVガンマ線同時観測による活動銀河核の粒子加速機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18740158
研究機関東海大学

研究代表者

櫛田 淳子  東海大学, 理学部, 講師 (80366020)

キーワード宇宙線 / 超高エネルギーガンマ線
研究概要

活動銀河核は電波からガンマ線までの広い波長域で膨大なエネルギーを放出している系外銀河であり、中心には膠着円盤に囲まれた巨大ブラックホールが存在すると考えられている。活動銀河核の中でも特に激しい活動性を示すブレーザーという天体は他波長領域を凌駕し、激しく時間変動するガンマ線放射が検出されている。ブレーザーには電子加速機構と陽子の関与、高エネルギー電子によってガンマ線に逆コンプトン散乱される紫外線の発生源等まだ多くの謎がある。本研究ではオーストラリアで3台の10mチェレンコフ望遠鏡を用いて活動銀河核をステレオ観測し、他波長領域の結果を合わせて粒子加速機構を系統的に解明していくことを目的とする。
活動銀河核は数GeV-数100GeVにガンマ線放射量のピークを持つものが多く、エネルギーが高くなるにつれて幕で量が減少するために、数100GeV以上に感度をもつチェレンコフ望遠鏡では観測が難しい。ところが2006年7月、活動銀河核PKS2155-304で急激にガンマ線放射量が増大するフレア現象が起こり7月末から8月中旬にかけて緊急観測を行った。観測はガンマ線で最も明るい天体である「かに星雲」の4倍ほどのフレアが起こった翌日の7/28から8/2まで計15時間、3台の望遠鏡を用いて行った。ノイズ除去にはFisher判別法(Enomoto et al, 2006)を用いて統計的に行い、280イベントのガンマ線を6.8σの有意度で検出した。また、ガンマ線放射量は日毎に大きく変化しており、激しい時間変動が生じていたことがわかった。同時期の他波長観測により、可視光でも光量が増大したがX線では変化が見らなかったこともわかっており、同時観測の結果を用いて多波長スペクトルモデルを作成し、放射機構を解明する上でこのガンマ線観測が大変重要な役割を果たすことになる。
これらの結果をまとめた論文を現在投稿中であり、2007年度始めには出版される見込みである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2006

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] CANGAROO-III Observations of the supernova remnant RX J0852.0-46222006

    • 著者名/発表者名
      Enomoto, R et al.
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 652

      ページ: 1268-1276

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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