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2006 年度 実績報告書

電磁流体数値実験による核子再結合型超新星爆発の可能性の探求

研究課題

研究課題/領域番号 18740163
研究機関熊本電波工業高等専門学校

研究代表者

藤本 信一郎  熊本電波工業高等専門学校, 電子制御工学科, 助教授 (10342586)

キーワード宇宙物理 / 理論天文学 / ガンマ線バースト / 超新星 / 元素合成
研究概要

発表論文[1](Astrophysical Journal誌2006年)において、重力崩壊する回転大質量星(コラプサー)の進化を調査した。重力崩壊前の角運動量分布・磁場分布に関しては、大質量星進化モデルの不定性を考慮し、解析的な角運動量分布・磁場分布を仮定し、いくつかの鉄コアの角速度、磁場の大きさに対して数値実験を行った。計算には現実的な状態方程式、ニュートリノ冷却を考慮した2次元電磁流体コードを用いた。その結果、以下のことが分かった。(1)星の赤道面付近に遠心力で支えられた降着円盤が形成される。(2)星の自転に起因する磁場の巻きにより回転方向の磁場は10の15乗ガウス以上に増幅される。(3)崩壊前の磁場が10の10乗ガウス以上の場合、巻き込みにより増幅された磁場によって回転軸に沿ってジェットが放出される。(4)他研究グループの流体力学計算によって示された熱的効果による円盤風は放出されなかった。
さらに発表論文[2](Astrophysical Journal誌2007年)において、発表論文[1]で行った2次元電磁流体数値実験に基づいて、回転大質量星からジェットとして放出されるガスの質量・化学組成を調べた。重力崩壊前の大質量星の鉄コアが高速回転(10rad/s)し、強磁場(10の12乗ガウス)の場合について計算を行った。4000種を超える原子核を考慮した核反応ネットワークを用いてジェットの化学組成進化を追った結果、約0.08太陽質量のガスがジェットとして放出され、核子再結合型超新星爆発に適した多量の核子をジェットとして放出することがわかった。ただしその大部分は中性子であり、ジェット中では速い中性子捕獲反応が進行し、中性子過剰な原子核が合成される。不安定核崩壊後のジェットの化学組成は太陽系組成と似たプロファイルを持つこともわかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Heavy Element Nucleosynthesis in A Collapsar2007

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichiro Fujimoto
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 656・1

      ページ: 382

  • [雑誌論文] Magnetohydrodynamic Simulations of A Rotating Massive Star Collapsing to A Black Hole2006

    • 著者名/発表者名
      Shin-ichiro Fujimoto
    • 雑誌名

      Astrophysical Journal 644・2

      ページ: 1040

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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