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2006 年度 実績報告書

不純物誘起状態をプローブとしたスピン系の量子相転移に関する微視的研究

研究課題

研究課題/領域番号 18740202
研究機関東京大学

研究代表者

吉田 誠  東京大学, 物性研究所, 助手 (40379475)

キーワード磁性 / 強相関電子系 / 低温物性 / 磁気共鳴 / 量子スピン系
研究概要

有限ハルデン鎖Y2BaNi1-sMgx05の電子スピン共鳴(ESR)及び核磁気共鳴(NMR)測定を進めると共に、極低温NMR実験を行うための、稀釈冷凍機内で角度制御可能なプローブの開発を行った。これにより、来年度以降、有限はハルデン鎖系で見られる有限鎖間の相関による秩序状態のNMRによる詳細な研究が可能になった。しかし、Y2BaNi1-xMgx05のギャップをつぶす100テスラ級のESR・NMR測定は未だ困難なので、新たにZnドープされた2次元直交ダイマー系SrCu2(BO3)2および、2次元スピンギャップ系(CuCl)LaNb207、擬3角格子磁性体Cs2CuCl4、有機磁性体F2PNNNOを候補物質として挙げ、試料製作及び予備実験を開始した。特にSrCu2(BO3)2に関しては、今年度において2GPの高圧下で新たな量子相が発見され、その物理的起源を明らかにするために、ZnドープされたSrCu2(BO3)2試料を高圧力下で測定することを重要課題に選定し、試料の準備と高圧用圧力カプセルの準備を優先的に行った。また、対象を低次元磁性体だけに限らず、近年次々と新物質が開発されている3時限フラストレーション系においても新規な量子相の探索を行った。超伝導体β型パイロクロア酸化物KOs206においては、Osは局在スピン密度をほとんど持たず、この系に見られる異常物性はスピンよりもむしろファノンによるものであることを明らかにした。金属絶縁転移をともなうパイロクロア酸化物物質群の測定も行い、Hg2Ru207では金属絶縁転移にともない、スピンの複雑な磁気秩序状態が低温で実現していることをNMRで明らかにした。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (3件)

  • [雑誌論文] NMR study of β-pyrochlore oxide superconductor KOs2062007

    • 著者名/発表者名
      Makoto Yoshida
    • 雑誌名

      Journal of Magnetism and Magnetic Materials 310

      ページ: 698-699

  • [雑誌論文] ESR measurements on one-dimensional quantum ferrimagnets A3Cu3 (P04) 4 with A=Sr and Ca in submillimeter-wave region2007

    • 著者名/発表者名
      Shojiro Kimura
    • 雑誌名

      Journal of the Physical Society of Japan 75

      ページ: 094718-1-7

  • [雑誌論文] ESR studies of quantum spin systems using the pulsed magnetic field2006

    • 著者名/発表者名
      Hitoshi Ohta
    • 雑誌名

      Journal of Physics : Conference Series 51

      ページ: 15-22

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公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

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