• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2006 年度 実績報告書

その場観測核磁気共鳴法によるカーボンナノチューブ内ガスハイドレート形成機構の研究

研究課題

研究課題/領域番号 18740210
研究機関首都大学東京

研究代表者

松田 和之  首都大学東京, 大学院理工学研究科, 助手 (60347268)

キーワードカーボンナノチューブ / 核磁気共鳴 / 吸着 / 相転移 / 分子挙動 / ナノサイエンス
研究概要

単層カーボンナノチューブ(SWNT)内部空間でのガスハイドレート形成を実験的に検証するために、SWNTバンドルに吸着した水分子とメタン分子の挙動を、核磁気共鳴(NMR)、X線回折、電気抵抗測定を実験手段として調べる研究を行った。
実験にはレーザー蒸発法で作製された平均直径1.34nmの高品質SWNTバンドル試料を用いた。また、ハイドレート形成のその場観測NMRを可能にするために、ガス圧制御バルブ,高精度デジタル圧力計を組み込んだ雰囲気ガス圧制御システムの製作を行った。製作した雰囲気ガス制御システムを用い、SWNTに水を吸着させたのちに雰囲気ガス圧と試料温度を系統的に変化させながら水分子とメタン分子の^1H,^2H核のNMR測定を行った。
その結果、現時点ではガスハイドレートが形成されたことを示す結果を得るにいたっていないが、SWNT内部に吸着した水分子がガス分子に交換される"内包分子の交換転移"が起こることを見出した。すなわち、水分子を内包したSWNTを1気圧のメタンガス雰囲気下で冷却すると、転移温度T_c=240Kにおいてメタン分子がSWNT内部に侵入し内包水分子が追い出される。この内包分子の交換は、温度変化に対して可逆的に起こることも確認した。さらに転移温度は雰囲気ガス圧に依存し、雰囲気ガス圧が低いほど転移温度も低下することが分かった。またSWNTフィルム試料で電気抵抗を行った結果、この内包分子の交換転移によって抵抗値が大きく変化することを見出した。この電気抵抗の振る舞いの起源は明らかになっていないが、水分子の内包によりナノチューブ自体の電子状態が変化している可能性がある。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2007 2006

すべて 雑誌論文 (2件)

  • [雑誌論文] Water-filled single-wall carbon nanotubes as molecular nanovalves2007

    • 著者名/発表者名
      Y.Maniwa, K.Matsuda, H.Kyakuno, S.Ogasawara, T.Hibi, H.Kadowaki, S.Suzuki, Y.Achiba, H.Kataura
    • 雑誌名

      Nature Materials 6

      ページ: 135-141

  • [雑誌論文] Water dynamics inside single-wall carbon nanotubes : NMR observations2006

    • 著者名/発表者名
      K.Matsuda, T.Hibi, H.Kadowaki, H.Kataura, Y.Maniw
    • 雑誌名

      Physical Review B 74

      ページ: 073415

URL: 

公開日: 2008-05-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi