研究概要 |
本年度は本件課題の基本的な側面についての研究を行った。 シリンダー状の系において磁束に対する系の応答を見るラフリンの議論が知られているが、それを一般化すると、量子コンピューティングの素子として提案されているトポロジカル・オーダーを持つ系について他グループによって提案されている操作よりも、単純さという点で優れた量子演算が実現できることがわかった。また非アーベル的なオーダーとアーベル的なオーダーの違いも、その議論によって系統的に理解できることがわかった。また一般的なフェルミ流体の分類の立場から、こうした状態の特徴づけを行うことを試みた。トポロジカル・オーダー間で転移が起こる場合が、現在知られていないタイプの転移が存在することがわかった これらの結果の妥当性を確認するためにHerbut教授(Simons Fraser大学、カナダ)およびGeorgiev博士(Institute For Nuclear Enegy,ブルガリア)らを訪問し議論した。 計算機としてIntel社の64ビットDual Core型CPUと16GBのメモリを搭載する計算機を購入した。これによって32ビット機に比較して遥かに大きなサイズの系の数値計算を行うことを可能になった。IntelのMathematical Kernel Libraryをインストールして、それを用いたいくつかのプログラムを作成しテストを行い、他グループが公表している結果を再現できた
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