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2008 年度 実績報告書

重い電子系における反強磁性量子相転移の臨界現象

研究課題

研究課題/領域番号 18740232
研究機関京都大学

研究代表者

田畑 吉計  京都大学, 工学研究科, 准教授 (00343244)

キーワード重い電子 / 量子相転移 / 臨界現象 / SDW QCP / locally critical QCP
研究概要

本課題は、現在固体物理のホットな話題となっている重い電子系の量子相転移に関する研究である。重い電子の量子臨界点(QCP)には、SDW QCPとlocally-critical QCPの2種類が存在することが指摘されており、典型的な重い電子系であるCe(Rui-xRhx)_2Si_2の量子相転移のユニバーサリティクラスを調べることが主たる目的である。この物質は、Rh濃度4%以上(x>0.04)でq3相と呼ばれる反強磁性相に転移し、Ge置換を行うことで別の反強磁性相(q1相,double-q相)が現れること、がこれまでの研究で分かっている。本年度は、(i) q3相にあるx=0.1の試料に対する圧力下磁化測定による圧力誘起量子相転移の観測、(ii) q3相とdouble-q相及びフェルミ液体相の3相がぶつかる境界近傍の(x, y)=(0.01, 0.05)の試料に対する中性子非弾性散乱実験によるスピンゆらぎの観測、を行った。(i) の結果、q3相は、Pc=0.3GPaでフェルミ液体相に量子相転移し、転移温度TNの急激な変化から、その次数は1次である可能性が高いことを見いだした。また、(ii) の実験の結果、
(x,y)=(0.01,0.05)の試料では、q1及びq3のスピンゆらぎが両方観測された。両ゆらぎは温度の低下と共に発達していくが、q3のゆらぎの方がより強く増強されること、最低温(T=1.5K)ではq3は動的なゆらぎと共に静的な短距離秩序が共存すること、このq3の静的短距離秩序の発達とともに、q1のゆらぎの発達が止まること、が分かった。これらは、QCP近傍のフェルミ液体領域において、不均一な構造が現れることを示しており、この量子相転移が、QCPから少し離れた領域で観測した場合はSDWQCPのように見えるが、実際には一次転移であることが示唆される。これは先に述べた、「圧力下実験の結果とコンシステントである。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2009 2008

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 圧力下磁化測定から見た重い電子系Ce(Ru0.9Rh0.1(2(Si1-yGey)2の局在遍歴相転移2009

    • 著者名/発表者名
      金谷親英、斉藤敏明、田畑吉計
    • 学会等名
      日本物理学会第64回年次大会(講演番号 : 27aPS-30)
    • 発表場所
      立教大学
    • 年月日
      2009-03-27
  • [学会発表] 重い電子化合物Ce(Ru1-xRhx)2(Si1-yGey)2の量子相転移2008

    • 著者名/発表者名
      田口裕健、田畑吉計、中村裕之、金谷親英
    • 学会等名
      日本物理学会2008年秋期大会(講演番号 : 21aPs-41)
    • 発表場所
      岩手大学
    • 年月日
      2008-09-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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