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2007 年度 実績報告書

粗視化した軌道情報に基づく非平衡現象の有効記述

研究課題

研究課題/領域番号 18740240
研究機関東京大学

研究代表者

小松 輝久  東京大学, 大学院・総合文化研究科, リサーチフェロー (70348499)

キーワード非平衡定常状態 / 統計力学 / 過剰エントロピー生成 / 線形応答理論 / 定常分布
研究概要

非平衡定常状態を統計力学的視点から研究した。特に、定常状態における微視的状態の定常分布の新しい表現として、(微視的状態に関連付けられた)エントロピー生成の組み合わせによって、理論的示唆に富む表現の構築に成功することが出来た。この成果の適用例としては、例えば温度が異なる熱浴が系に接した状況で、系内を流れる熱流によって非平衡へと駆動された非平衡定常状態や、電場によって電流が流れている定常状態など、非常に多くの非平衡定常状態を考えることが出来る。本研究によって得られた表式は、これまで既に良く知られた線形応答領域での分布表式を(当然ながら)包含しつつ、本質的な非平衡領域である非線形領域にまで踏み込む画期的なものである。また、本研究で得られた表式の持つ特徴として、分布表式がモデルの詳細や恣意的な設定によらない一般性を持つこと、したがって広い適用範囲を持つこと、過剰エントロピー生成という熱を測定することによって原理的には観測可能な量と分布表式を結びつけるものであること、などが挙げられる。ここで出てくる過剰量の測定という視点は、昨年度までの具体的モデル研究の積み上げによって、その有用性を見出すことが出来たことも指摘しておきたい。
これらの結果は、スペインにおける研究会、国内の学会等で発表され、多くの有益な議論に結びつくことが出来た。また、物理系学術誌PHYSICAL REVIEW LETTERS誌において出版され公表された。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Expression for the Stationary Distribution in Nonequilibrium Steady States2008

    • 著者名/発表者名
      Teruhisa S. Komatsu
    • 雑誌名

      Physical Review Letters 100

      ページ: 030601-1030601-4

    • 査読あり
  • [学会発表] 非平衡定常状態の測度と過剰熱流22008

    • 著者名/発表者名
      小松輝久、中川尚子、佐々真一、田崎晴明
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-24
  • [学会発表] 非平衡定常状態の測度と過剰熱流2007

    • 著者名/発表者名
      小松輝久、中川尚子
    • 学会等名
      日本物理学会
    • 発表場所
      北海道大学
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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