研究課題
本研究代表者の本多は3月31日付で東京理科大学を退職し、4月1日付で東京工業大学大学院理工学研究科広域理学講座(理学研究流動機構)の助教に着任し、着任先の応用物理学専攻上妻研究室と協力して研究を行うこととなった。この新たに着任した研究機関においては申請した研究の続行は不可能であるため、新たな研究室での研究を行う。この研究室は光の量子論的強度揺らぎを小さくする技術(スクイージング)を持ち、この非古典的な光を気体原子集団の中に蓄え、導き出す研究を行っている。この光を検出する際、光の強度揺らぎの大きさを測定する必要がある。しかも、その揺らぎの周波数は原子と光の共鳴周波数幅よりもかなり狭く、数百kHz以下でなければならない。これは回路の電気的ノイズに埋もれてしまう。そこで、これまではこの揺らぎを1MHzの光強度のビートに乗せることで測定を行ってきたが、この場合にはさらに高周波数成分の揺らぎ成分が混ざるという問題があった。このため、揺らぎの低周波成分を直接測定する必要がある。本年度は揺らぎの低周波成分を直接観測することで、気体原子集団に蓄えられた非古典的光が導出されるのを観測することを目標とした。その結果、これに成功したので、その成果を論文として公表した。
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