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2007 年度 実績報告書

中性原子系における超流動状態とモット絶縁体転移の解明

研究課題

研究課題/領域番号 18740251
研究機関神奈川大学

研究代表者

木村 敬  神奈川大学, 理学部・情報科学科, 助教 (30386809)

キーワード低温物性 / 物性理論 / 原子・分子物理 / 超流動 / モット絶縁体
研究概要

光格子中にトラップされた冷却原子気体を用いて固体物理における多体効果を研究しようとする試みが近年大きな注目を集めている。中でも電子系との関連で重要となる40Kや6Liといったフェルミ原子気体はFeshbach共鳴により原子間の相互作用を著しく変化させることができ、多体効果を調べる上で優れた特徴を持つ。ごく最近、Feshbach共鳴で相互作用をゼロにした3次元光格子中の40K原子気体を用いてバンド絶縁体状態がK¨ohl等によって観測され[1]、金属一絶縁体転移の実現に向けた大きな進展があった。このような背景のもと、我々は実験結果の定量的解析を目指し、調和振動子型の閉じ込めポテンシャルを考慮した3次元ハバード・モデルの基底状態をGutzwiller近似に基づいて調べた。数値計算に際しては、K¨ohl等のバンド絶縁体の実験に即したパラメータを用いた。全原子数N=105、閉じ込めポテンシャルのトラップ周波数ωx=2π×93[Hz]、ωy=ωz=2π×155[Hz]、格子間隔d=λ/2=413[nm](λは格子レーザーの波長)、光格子ポテンシャル深さ〓=12Er(Er=h2/2mλ2はrecoil energy)、サイト数120×70×70とした。
相互作用がない場合には、サイトでの原子占有数が2の平坦な密度分布が得られ、基底状態はバンド絶縁体相になっていることが分かった。これは明らかにK"ohl等のグループによるの実験結果(Kohl et al., PRL94, 080403(2005))と一致している。一方、Feshbach共鳴の無いbareな散乱長a=174a0を用いて計算した場合の密度分布では相互作用により原子密度は小さくなり、中央の金属領域とその周りの占有数1のモット絶縁体領域が共存していることが分かった。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2007

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] Gutzwiller近似による3次元光格子フェルミ原子気体の解析2007

    • 著者名/発表者名
      山下眞、M.W. Jack、木村敬、川上則雄
    • 学会等名
      日本物理学会第62回年次大会
    • 発表場所
      北海道大学札幌キャンパス
    • 年月日
      2007-09-21

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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