研究課題
桜島火山観測所での2001-2007年の地震・空振の観測記録を見直し、空振波形の特徴抽出を行った。その結果、爆発型と2ピーク型のふたつに分類することができ、これらは、爆発地震、BL型地震の発生にそれぞれ対応していた。爆発型空振の主要相は最初にするどい立ち上がりを持つ正圧、これに引き続く相対的に長時間続く負圧のセットで構成され、これらの後続相として、幾つかの正圧・負圧が繰り返されて、元の大気圧へ10秒程度で復調する。一方、2ピーク型は最初の正圧の発生から1.5-1.8秒送れて明瞭な二つ目の正圧ピークが形成され、これは爆発型に記録される正圧・負圧のセットとは明らかに異なる。最初の正圧ピークと二つ目の正圧ピークとの振幅比は0.5-3.4であり、二つ目のピークは、ガス溜り破裂後、火道内部を噴煙が加速・上昇する過程、もしくは火口底からの噴煙放出時に生じているのかもしれない。この二つ目のピーク以外、例えば、正圧継続時間や正圧・負圧の振幅比などのパラメータには、爆発型と2ピーク型の空振波形を区別するような明瞭な違いはない。他方、空気振動観測のためのカメラモジュールの選定・購入を終了し、画像取得のプログラム作成、桜島において動作テストを行った。GPS時刻情報を画像ファイルにリアルタイムに埋め込むための可般機器・ソフトウエアの開発も併せて開始した。また、諏訪之瀬島火口縁にカメラモジュールを設置し、連続映像観測の有効性の有無についてのテストも行った。カメラからの映像は無線によって諏訪之瀬島集落へ送信し、そこでDVDレコーダーへ連続収録した。これによって、赤熱溶岩片を噴出するストロンボリ式噴火や爆発的噴火の瞬間を撮影することに成功したものの、灰の付着による視界不良や映像伝送途中での画質劣化があり、詳細な解析を行うにはいたっていない。
すべて 2007 2006
すべて 雑誌論文 (5件)
Earth, Planets and Space 59,c
ページ: 177-181
北海道大学地球物理学研究報告 70
ページ: 137-144
火山 52,2(In press)
Shock Waves 15,5
ページ: 295-300
Annuals of Disas. Prev. Res. Inst., Kyoto Univ. 49C
ページ: 219-224